不動産投資の会計と税務と決算書
良く、「会計」、「税務」という言葉をお聞きになると思いますが、
この違い、ご存知でしょうか?
私は仕事柄、若干使う機会があったので、すこしかじる程度に学んだのですが、
はじめはさっぱりでした。
何がさっぱりかというと、両者の違いが何なのか分からなかったのです。
財務諸表を作り、その中で当期純利益の金額に応じて税金を払う。
それだけなのに、何故会計と税務を分けるのだろう、と。
こういった良く分からないものは、実例をあげて
考えていくのが一番分かりやすいですね。
保有物件の月々の賃料が100万円だっとします。
そして、たまたま11月と12月、住民全員が家賃を払わなかったとします。
そうすると、その年の実際の収入の金額は100万円 x 10ヶ月 = 1,000万円
になりますよね。
では、その年の所得は1,000万円になるのか、というと、
そうではなく、実は、所得は1,200万円にしなければいけないのです!
なぜかというと、税務署から見ると、
「少しぐらい滞納があったからとっても、きっと近々入ってくる家賃に違いない
そうであれば、所得として考えるのが普通」
という発想になっているからです。
(税法上そう決められてるから、ということですね。)
不動産の場合は該当しないと思いますが、
会計上は、この未収家賃は所得から減らした方が本来は正しい姿ですよね。
なぜなら、まだ入っていないお金を、既に入ったものとみなしてしまうのは、
会社の実態を正しく反映させていないからです。
(後から、「家賃200万円分は実は回収できてませんでした!」ということになったら、その会社に投資している人は怒ってしまいますよね)
つまり、会計上の所得は1,000万円なのに、税務上の課税額は1,200万円という
ちぐはぐな状況が発生してしまうこともあるのです。
めんどくさいですよね。
更に、この未収家賃が本当に回収できなくなった場合、
初めて所得から減らすことができます。
その時、既に確定申告を終えている場合、
修正申告をしなければ、多く払ってしまった税金は返ってきません。
これもまためんどくさいですよね。
ということで、めんどくさい!という結論になってしまいましたが(笑)
めんどくさいからこそ、勉強をすれば他の大家さんと
差別化を図ることができます!
ご参考まで、不動産業界にはこんな税務マニュアルもあります。
気になる方はどうぞ。(しっかりまとまっていると思います。)