物件購入検討シリーズ、RCマンション
物件の購入検討シリーズ第二弾!
前回は木造の物件でしたので、今回はRCの物件を取り上げてみようと思います。
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物件価格:6000万円
築:21年
間取:1k14戸 + 店舗
①利回り
前回同様利回りをまずチェックします。
物件概要書上の利回り10.2%から各部屋の前提家賃を計算すると、
3.4万円であることが判明。
早速スマイティで周辺相場をチェック。
同じような物件の相場を見てみると、2~3万円であることが判明。
この時点で、期待してるほどの利回りを得ることは難しいことが分かります。
②融資
利回りは低いですが、長期の融資を引けるのがRCの魅力!
本物件に関する融資条件を見ていきます。
RCの法定耐用年数47年から築年数21年を引いた
26年がこの物件の一般的な融資期間です。
頭金10%を投入、物件価格の90%で融資を受け、金利4.5%、元利均等で返済した場合、月々の返済金額は約30万円です。
一方、物件から得られる家賃収入は51万円
即ち、月々の手残りは何と21万円!
返済比率は高いけど、収入はちゃんとあるじゃないか!
ということで、次に担保価値の計算に行きましょう。
③担保
前回同様、物件と土地の価格を計算します。
物件:RCの場合は1m2当たりの価値は18万円と一般的に言われてます。
この物件の面積は370m2、築年数21年であることから、この物件の建物の価値は
18 x 370 x 21/47(RCの法定耐用年数) = 3000万円。
土地:この物件の周辺の路線価は6万円でしたので、土地面積170m2であることから、土地の価値は
6 x 170 = 1000万円。
土地と建物を足すと、4000万円です。
大分信用が毀損してしまいますね。残念。
④経費
RCの場合、木造と違ってさらに検討しておかなければいけない項目があります。
それは、エレベーターの費用及び固定資産税。
エレベーターは以前メルマガでご紹介させて頂いた通り、エレベーターを売るだけではメーカーは赤字です。エレベーター業者はメンテナンスで儲かるのです。
即ち、メンテナンス費用は高い!のです。
気になるこのエレベーター保守費用、少なくとも月5万円は見ておいた方が良いと思います。
また、固定資産税に関しては、担保価値と一見相反するコメントになってしまうのですが、担保価値が高い=固定資産税評価額が高い=固定資産税が高い。となってしまい、担保力が高い物件程、固定資産税が高くなり、結果収益を圧迫してしまうのです。
本物件はあまり担保余力がない物件ですが、4000万円であっても年間で40万円ぐらいは税金として払わないといけないと思います。
即ち、エレベーター費用と固定資産税費用を加味すると、月々の返済金額は
30万円(ローン)+エレベーター(5万円)+固定資産税(3万円)=38万円が毎月発生する費用となります。
ずっと満室経営が出来ていたとしても、月々の収入は12万円です。
ええ、危なすぎます。
ローン期間が長いこともしっかり考えないといけません。
26年後に今と同じ賃料で入居者が入るわけがありません。
賃料が9000円下がると、ずっと満室経営をしてようやく
プラスマイナスゼロです。
危ないですよね?
しかも、融資期間が長いということは、支払い利息が多いということです。
借入金の返済は負債の減少です。負債を全部返済しきれば、その負債の見合いである物件はあなたのものになります。
一方、利息は費用です。資産の減少です。
RCを買う場合は、長期的な視野を持って購入を検討されることをおススメ致します。
結論
激しく指値。
担保価値である4000万円ぐらいまで値段を下げることが出来れば、買う価値があると思います。